時間をかけて資料を作り緊張しながらプレゼンに臨んだ結果、何を言っているか分からないと言われた経験はありませんでしょうか?
本記事ではエンジニアが陥りやすいプレゼンの注意点をご紹介します
専門用語は使わない
まず、そのプレゼンの聴衆は誰か?を明確に把握しましょう。
そして聴衆がエンジニアではない、あるいは分野が異なるエンジニアである場合は専門用語を使うべきではありません
例えば「大量の文書を人手で分類する場合多大な人件費を要する為BERTを使ったNLPによって自動化を図る」
という説明をした時、後半の説明を聴衆は理解してくれるでしょうか?
また本当にBERTやNLPは伝えたい事でしょうか?
聴衆が経営層である場合、文書分類は自動化できるという結果を伝えれば良いはずです。さらには伝えるべきは実現手法ではなく、実現したことによる金銭的な効果予測かも知れません。
不要な情報は伝えたいポイントを曖昧にし、不要な質疑を招きます。
余談ですが、
NLPは
「Natural Language
Processing」自然言語処理という意味と、
「Neuro-Linguistic
Programming」神経言語プログラミングという
二つの用語が存在します。
この為ソフトウェアを生業としない方が聴衆の場合、思いもしない意味の取り方をされている可能性があります。極力使わない方がベターです。
エンジニア間のプレゼンでない限り三文字略語の使用は控えましょう。
報告はシンプルに
みなさまは、途中で眠くなるようなプレゼンに出会ったことはありませんでしょうか?きっとあるはずです。
そしてそのプレゼンの多くは求められていない冗長な情報がふんだんに盛り込まれてはいなかったでしょうか?
例えば経営層に対して「このシステムはGoogle CloudのGoogle Kubernetes Engineを利用しておりクラスタのクラスタオートスケーラーを有効にしています。この為、サーバーの突発的な負荷増大に対してもノードプールサイズが自動的に調整される為システムダウンすることなく運用可能です。」
という説明をしたとします。
経営層にノードプールと言った情報はおそらく不要なケースが多いはずです。
経営層に対しては「このシステムの稼働率は99.99%です。」
この一言で十分かもしれません。
プレゼンする際、伝わるかどうか不安になり、ついつい言葉を重ねてしまうこともあるかと思います。
しかし視点を変え、言葉を削ると伝えたいことが取捨選択され本来伝えたいことが洗練されます。
もちろん前者の説明が完全な間違いではありません。技術交流会と言った場ではむしろ欲しい情報は技術的詳細であるはずです。どちらにせよ聴衆が誰であり、求められている報告は何かを理解し極力シンプルで分かりやすい表現を使用しましょう。
全てのデータを提示しない
みなさまはスライドいっぱいに敷き詰められたグラフや数字の羅列を見たことはありませんか?そしてそれらの多くはどこを見たら良いか分からないスライドではなかったでしょうか?
例えば「リクエストの増加に伴うサーバーサイドの処理時間の推移」を棒グラフで表現する場合を考えます。
この時、使用するグラフで何を伝えたいかを考えます。
そして伝えたい必要最小限のデータのみを残してグラフを加工し見やすくしましょう。
詳細なデータはスライドの付録に置いておき求められた際に提示できる状態にしましょう
この方が聴衆の目が散ることを避けられます
また1枚のスライドに複数のグラフを用いることも極力避けましょう。説明を聞きながら複数のグラフを追いかけると相手の理解度が下がります。
データをまとめてグラフを一つにするなど一目見て理解できるグラフに加工する癖をつけましょう。エクセルで作った全てのデータを含んだグラフをスライドに貼りつけて上手くいくケースは少ないと割り切ってしまいましょう。
スライドに長文を書かない
スライドにびっしりと技術的詳細を記載した場合多くの経営層はその意味を理解しません。経営層はそのスライドが意図する要点だけを汲み取ります。
厳しい経営層であればそのスライドを見ただけでプレゼンを打ち切るかもしれません。
スライドに改行が必要なほどの長文は不要です。
想像してみてください。
本を読みながら横で誰かが話している場合、本の内容と話されている内容を理解できるでしょうか?
おそらくほとんどの人がNOであるはずです。
この為プレゼンとしてスライドの横で人が話す限り、スライドには必要最小限の言葉のみを提示しましょう。
そうしなければ、練習を重ねた説明か、時間を費やして作ったスライドのどちらかはあまり理解されていません。
まとめ
本記事はエンジニアの方が陥りやすいスライドの注意点について記載しました。
私自身機械学習エンジニアとして経営層に報告する場などを経験しこれらの重要性を痛感しています。
我々エンジニアは頭を悩ませながら日々開発しています。だからこそ開発したものを詳細に説明したくなります。
もちろんその欲求自体は悪いものではありません。ただ、場を選ぶべきです。
求められていない場ではその気持ちをグッと堪えて聴衆の持ち場、立場に寄り添ってプレゼンしましょう。
ソフトウェアエンジニアの成果物の多くはサーバーなどに格納され、それ自身では物理的な形状を持ちません。
だからこそ、ソフトウェアエンジニアは自らの成果物を端的にわかりやすく説明出来るべきだと、私は思います。
成果物を一番よく知り、一番上手く伝えられるのは開発者自身のはずです。
ソフトウェアエンジニアの頑張りが「何か難しいことをしている」の一言で片付けられない為にも我々は開発スキルだけではなく、対外的なスキルも磨いていくべきです。
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